おもしろくなかったとは言いません

ローレンス・サンダーズ著『無垢の殺人』読了。すんばらしいとか傑作だとか犯人が捕まらないで欲しいって思っちゃいましたなんて書評をお見かけしましたが、自分はまったくそんなこと思いませんでしたよ。駄作とかそーいったことではなく、サイコキラーって設定がそもそも好みでないというところが大きいかと。筋の通らない理屈で殺されちゃあ堪りませんよってな理由に基づくわけです。まあ理屈ががっつり通ってても殺人はいかんですよ。
病気を抱えてるのは大変でしょーが、ちゃんと治療してれば問題ないわけで、化粧して着飾れば簡単に男が引っかかってるのに普段はそーいったことをせず私ってとっても平凡で不幸でそれを解決するにはこーするしかないのよおおおって勝手に悲劇に浸ってるって印象が拭えず。犯した罪は当人が償えというのが持論なので、ガキだろうが生い立ちが不幸だろうが頭がイカれてようがクスリで飛んでようが容赦なくぶちのめせと常々思うとります。なのでラストは大いに不満。
ひとつギモン。ケバい装いをやめたときでさえ男の方から声かけてるってのは、設定からすると不自然な気がしますが。酒飲むところで女一人で座ってれば誰だって声かかるってのはお国柄の違いで片付く話なんですかね。かけた方もそーいったことには不向きなタイプのようですし、現実でもその手の男性は「ナンパなんてぜったい無理」と声を揃えておっしゃいますが。その辺りも気になっていまいち入り込めず。結局はこの作品が大して気に入らなかったってだけのことですね今となっては。